右側に気をつけろ/ジャン・リュック・ゴダール


“男”ジャック・ヴィルレとリタ・ミツコが会する喫茶店に辿り着いたとき、なぜか感動する。それまで意味なんてどうでもいいや、と思って観ていても、あそこに辿り着いた瞬間、スーっとする。フィルムは映写機にかけられる。冒頭の“白痴”ゴダールの滑稽な身振りのシーンから物語はきちんと語られていた。
全体的に妙に喜劇じみたところがあり、その中に組み込まれるリタ・ミツコのセッションの生真面目さが浮き立つ。
左後方から響くベース音、右から迫る歌声、この感じは爆音上映だからこそ。