2006-03-01から1ヶ月間の記事一覧

 男はつらいよ・知床慕情/山田洋次

寅さんmeetsミフネ! マドンナ竹下景子2回目、ゲスト三船敏郎、淡路恵子、赤塚真人。 イッセー尾形やすめけいや笹野高史はポンシュウ同様準レギュラー化。 冒頭は夢ではなく、江戸川の桜咲き乱れる風景。 三船の大根っぷりは山田洋次演出でかなり露わとなる…

 男はつらいよ・幸福の青い鳥/山田洋次

マドンナ志穂美悦子、ゲスト長渕剛、有森也実、イッセー尾形、すまけい。 冒頭夢は青い鳥。それがテーマとなっており、寅は志穂の幸せを願う。 といういつものパターンにおおよそ「男はつらいよ」的でない長淵の登場で、なんだか違和感。 旅役者の娘というこ…

 ウォレスとグルミット・野菜畑で大ピンチ!/ニック・パーク、スティーヴ・ボックス

もしかすると、今一番観るべき映画はこれかもしれない。 クレイアニメのクオリティの高さは当然のこと、皮肉や世の無常を、残酷さや社会批評を織り込みながら徹底してエンタテインメントである姿勢に、おそらくアカデミー賞は送られた。 また、アカデミー賞…

 かもめ食堂/萩上直子

小林聡美、片桐はいり、もたいまさこをフィンランドに連れて行き、そこで映画を撮った。 そのまんまなある意味スター映画。 かつての松竹の旅行シリーズみたく「誰々と誰々の組み合わせで何処其処でロケして…」ってな映画。 それ以上でも以下でもない、かな…

 プリティ・ヘレン/ゲイリー・マーシャル

で、同じく如何にもアメリカな映画なら、こういうほうが私は好き。 脳みそ緩んじゃってるのかな?最近深刻ぶったの受けつけにくい。 で、ただひたすらケイト・ハドソンがあの天使のような笑顔でニコニコしながら苦しみ頑張る映画。 私はそれで満足なんです、…

 クラッシュ/ポール・ハギス

幾多の人物のエピソードが重なり高まりクライマックスで大きなうねりを生み出・・・さなかった。 それぞれのエピソードの人物の感情のうねりが幾つかの大事(おおごと)なエピソードに分断されて語られるから、こちらの気の持っていきようが難しい。 サンデ…

 メルキアデス・エストラーダの三度の埋葬/トミー・リー・ジョーンズ

観る前はトミー・リー・ジョーンズによるイーストウッド崇拝映画かと思ったが、脚本家ギジェルモ・アリアガの影響色濃く「21グラム [DVD]」を、そして国境警備員の贖罪というところから先日見たキム・ギドク「コースト・ガード [DVD]」を彷彿とさせた。 その…

ウォ・アイ・ニー/チャン・ユアン

男女の悲劇的な出会いから再会、好意から欲情に変貌していく恋愛、結婚を経て意地の張り合いになってゆく様を、痛々しい程の激しい台詞のやりとりやぎょっとするような狂気とユーモアを交え、リアルに見つめる。 シュー・ジンレイは強迫観念のように愛を求め…

 男はつらいよ・柴又より愛をこめて/山田洋次

マドンナ栗原小巻、ゲスト川谷祐三、田中隆三、松井直美、森本毅郎、笹野高史。 冒頭の夢は宇宙飛行士。ロケは伊豆。 それに美保純の家出に「二十四の瞳」を踏まえた展開が絡む。 栗原先生の生徒はアパッチけん、光石研、中島唱子らで、同窓会で集合し自転車…

 ラスト・デイズ/ガス・ヴァン・サント

私はカート・コバーンに何の思い入れも無いんで、というより、ニルヴァーナに遅れてきた世代とでもいいましょうか、ロックを聴き始めた頃にはカートはこの世を去っていたので特別な思い入れを持ちようがない世代なので(とはいえ、同級生達は結構好きと言って…

 男はつらいよ・寅次郎恋愛塾

マドンナ樋口可南子、ゲスト平田満、初井言栄。 松村達雄が平田の教授役。 冒頭の夢は姥捨て山。 タイトル通り、寅はコーチ役に回る定番パターン。 ま、樋口可南子なんて娘くらいの歳だから、それが自然。 関敬六演ずる寅のブラザー、ポン州が、帝釈天で働く…

 男はつらいよ・寅次郎真実一路

マドンナ大原麗子、ゲスト米倉斉加年、津島恵子、辰巳柳太郎。 冒頭の夢はギロロと寅次郎博士。 大原は別の人物として二回目のマドンナを演じた初の例。 作品全体としては美保純がとらやの平和を乱すシーンと大原・米倉の夫婦の話が交互にくる感じで、何か物…

 ブロークバック・マウンテン/アン・リー

2005年はゲイの年だった、と総括したくなる、そんな年だった。 本作がアカデミー最優秀作品賞を獲れば、上手い具合にそんな2005年をまとめることが出来たのだが。 「バッド・エデュケーション [DVD]」「真夜中の弥次さん喜多さん DTS スタンダード・エディシ…

 マクダル・パイナップルパイン王子/トー・ユエン

豚のマクダルは可愛い。 他のキャラクターも可愛い。 しかし、何でこんなに辛辣なんだろう。 これが香港人のユーモアセンス。 可愛いマクダルもおじさんになる、と執拗に言及するあたり。 なんだか香港ってこんな“諦め”ムードに支配されているのだろうか。 …

 ウォーク・ザ・ライン・君につづく道/ジェームズ・マンゴールド

ジョニー・キャッシュについては「レコード・コレクターズ 2006年 04月号」の萩原健太さんが流石な文章を寄せているので、それを参照のこと。 ディラン・ファンの私だけど、宣伝や映画の中で「ディラン」の名が飛び交うのに冷めるのです。 キャッシュは彼単…

 男はつらいよ・夜霧にむせぶ寅次郎/山田洋次

マドンナ中原理恵、渡瀬恒彦、佐藤B作。ロケ盛岡、釧路。 シリーズ初期の、源ちゃん以前の寅さんの舎弟、登=秋野太作と再会。 タコ社長の娘・美保純初登場。 冒頭の夢は東映ヤクザ映画風、 中原は意外にも寅さんに逆らい、リリーさん以来の激しい喧嘩をす…

 コースト・ガード/キム・ギドク

コースト・ガード [DVD]出版社/メーカー: エスピーオー発売日: 2005/08/26メディア: DVD クリック: 4回この商品を含むブログ (33件) を見る キム・ギドクの映画にチャン・ドンゴンが主演しているというのは、なんだか不思議な感じではある。 とはいえ、チャ…

 クリスティーナの好きなコト

3MY BOX キャメロン・ディアスパック [DVD]出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント発売日: 2005/12/21メディア: DVD クリック: 1回この商品を含むブログ (2件) を見る 皆で「アルマゲドン」を歌うシーンの馬鹿馬鹿しすぎる幸福感! 私はセ…

 男はつらいよ・口笛を吹く寅次郎/山田洋次

マドンナ竹下景子、ゲスト中井貴一、杉田かおる、梅野泰靖、レオナルド熊、石倉三郎、あき竹城、松村達雄。 主題歌の台詞が、二番(?)。 冒頭の夢は偽寅さん。 松村達雄は竹下景子の父、和尚で寅と娘の結婚を望む。 つまりはおいちゃんが二人いる気分。 ここ…

 男はつらいよ・旅と女と寅次郎/山田洋次

マドンナ都はるみ、ゲスト北林谷栄、中北千枝子、藤岡琢也、桜井センリ、ベンガル、細川たかし。 冒頭の夢は佐渡金山一揆の首謀者、柴又無宿寅吉、その泣きの捕物物語を舞台のセットで。 最初の帰省は満男の運動会事件。 中北千枝子は保険のおばさん。 歌姫…

「寺内貫太郎一家」、初めて観たけど、面白い。 梶芽衣子、やばい、改めて美しすぎ。 凄い面子がコントとドラマのあいのこみたいなのを真顔で演じているのが最高。 今のバラエティー番組に役者とかが出てくるコントのへらへらした楽屋落ちなカンジとは大違い…

 頑張れ!グムスン

ペ・ドゥナ最後の日本未公開作。 これで、彼女の映画は一通り日本に入ったことになる。 1999 「リング」 2000 「ほえる犬は噛まない [DVD]」「プライベートレッスン 青い体験 [DVD]」 2001 「子猫をお願い [DVD]」 2002 「復讐者に憐れみを デラックス版 [DV…

 映画館についての愚痴

先の土曜日にオープンしたばかりのシネマート六本木というアジア映画専門シネコンだかに初めて行った。 「韓流シネマ・フェスティバル2006」で上映されるペ・ドゥナ主演の「頑張れ!グムスン」を観るために。 出来るだけ映画は映画館で観ようと思っているの…

 ステップ!ステップ!ステップ!/マリリン・アレグロ

NY市の公立小学校の授業に取り入れられたボールルームダンス、社交ダンスと変換していいのでしょうか、に取り組むちびっ子さん達を追ったドキュメンタリー。 子供達の頑張りや熱心な先生達の姿は言うに及ばず、何より子供達のキャラ立ちが魅力。 可愛い子…

 うつせみ/キム・ギドク

なんと言われようと、私はキム・ギドクを好いているので、彼の映画の更なる洗練は非常に嬉しいし、毎年新作を観ることができるのも、嬉しい悲鳴。 また、本作は「春夏秋冬そして春」を通過したキム・ギドクが「悪い男」を再構築したような作品である。 いま…

 男はつらいよ・花も嵐も寅次郎/山田洋次

マドンナ田中裕子、ゲスト沢田研二、朝丘雪路。 っていうか、もう、ジュリーと田中裕子の映画、助演とらやの皆さん、って感じ。 あと、ロケ地別府の和尚に殿山泰司、「ハイビスカス」「かもめ歌」に続き光石研が出演。 寅の夢は「ウエスト・サイド・ストーリ…

 彼女は夢見るドラマ・クイーン/サラ・シュガーマン

ディズニーのリンゼイ・ローハン主演学園物。 当然のように本邦未公開、ビデオスルー。 内容は「ミーン・ガールズ」の叩き台のような急造作という印象拭えず。 ただ、あちらよりリンゼイの役がよりナードで、イタ可愛い、という感じか。 彼女と親友となるア…

 アメリカ、家族のいる風景/ヴィム・ヴェンダース

① 言葉を交わそうとしなかったサム・シェパードとサラ・ポーリーが路上に放り出されたソファに並び、二人同時に視線を画面右上にやる。 カットが変わって、山の中腹にMの文字がライトアップされているのが映し出される。 その景観は、二人の瞳が見つめたも…

 故郷の香り/フォ・ジェンチイ

故郷に残した初恋の人=後ろめたい思いの残る女、との再会を描く「木綿のハンカチーフ」映画。 こういう作品で心配なのは、男性の贖罪意識のみしか描かない、男子脳映画に陥りがちなことだが。 見事にその通りであった。 最後に主人公はヒロインの娘に「迎え…

 ミュンヘン/スティーブン・スピルバーグ

やはり、というべきか、ただのシリアス史実物になるはずもなく、「暗黒街の顔役」から「ゴッド・ファーザー」に至るまでの殺人ヴァイオレンス映画(つってもデ・パルマは入ってない気がしてよろしい)の娯楽性、つったら語弊があるか、高揚が待っていた。 不謹…