コープスブライド/ティム・バートン&マイク・ジョンソン


「ナイトメア・ビフォア・クリスマス」が実はあまり好きではなくて、何故なら人間じゃないキャラしか出てこないわけで、ティム・バートンの愛する畸形性が緩和されているように思い、ソフトすぎる気がするから。*1
でもこの作品は生きている世界と死んだものの世界で人間達ばかりが出てきて、嫌な役の人物達の造形の悪意が最高。
特に生きている花嫁の家の家政婦おばさんが「ベルヴィル・ランデヴー」も思い出させるナイス造形。
骸骨を愛するのは毎度、子供の骸骨達が可愛い。
「ヴィンセント」直系の夢見がちな現実逃避少年の妄想ともいえそうなゴス趣味全開な内容ながら、「電車男」を思い出してしまったのはヴィクターがあんまりにも二人の花嫁に振り回されすぎ、もとい、意思決定を二人に任せているからなのだが、楽しい映画なんで、そんなことでどうこう言うのも野暮か。
からして、ジョニー・デップより、ヘレナ・ボナム・カーター(人形の造形も似ている)やエミリー・ワトソンの方が印象に残る。
キャストに関しては実写含めバートンの最高な面子かも。
目玉落ちたり、生首が歩いたりのグロ趣味もアニメだから楽しい。
オタク、というのは違うかなと思うが、ゴス趣味を世界のスケールで晒すティム・バートンは何時までも支持しないといけない人であり続ける。
この人の美意識と話の運び方が、大好きなのです。

*1:まー、あれは監督も違うので…