ラスト・デイズ/ガス・ヴァン・サント


私はカート・コバーンに何の思い入れも無いんで、というより、ニルヴァーナに遅れてきた世代とでもいいましょうか、ロックを聴き始めた頃にはカートはこの世を去っていたので特別な思い入れを持ちようがない世代なので(とはいえ、同級生達は結構好きと言っていたし、バンドでも演奏させられたが、それって多分ビートルズツェッペリンストーンズの曲を演るのと一緒ってことなんでしょう)。
ガス・ヴァン・サントの新作として観に行きました。
で、ホントそれで正解。
「ジェリー」→「エレファント」とヴァン・サントの映画作りは深化を続けているが、本作ももちろんその延長にある。
決して「サイコ」の延長線上ではない、笑。
なんで、実に自由な「間」とでもいおうか、退屈とも快感とも受け取れる引き伸ばされた時間を体感できる。
「レイ」や「ウォーク・ザ・ライン」を期待してる人、残念!(死語)
ニルヴァーナ、かっけー、なヤングの期待に答えるかはかなり疑問なわけです。
ただ、もし「ビデオで見ればいいや」という人は是非映画館で見て欲しい。
そうしないと、多分もっと厳しい。
映画館でこの狂気じみた退屈で間延びして緊張した時間を体感すべき。
ただし本作は題材が題材だけにやや窮屈で、「ジェリー」の方が好きだな、というのが正直なところ。