徳川女系図/石井輝男


池袋新文芸座の特集上映に行けなかったので、個人的に追悼を。


いや、なんつーか。くだらねー、笑。
いや、バカ殿以降の世代である私には、この大奥ものの映画は結構笑えるものとして見れてしまうのだ。
というか、サービス精神旺盛なこってり感から察するに、こういう見方は間違ってない。
一通り出てきます、帯くるくるアーレー、ってやつとか、蝋燭垂らしとか。
バイオレンスが苦手で観るのに覚悟が必要だったが、少なくとも本作には拒絶してしまう部分は無かった。
女だけの相撲大会でまわしのみを身に着けた女達が並ぶ様は、ピーター・グリーナウェイの諸作で全裸の者達が完璧に配列されるショットの崇高さを思い起こさせる(ウソ)。
物語の軸として権力者の堕落や女の嫉妬や叶わぬ愛などがあるのだが、まあ、そんなことはいいじゃないですか、という感じ。
だからもっぱら感心するのはエロ中学生並みの発想力と、絶命する綱吉に降り注ぐ雨や青姦シーンで舞う落ち葉だったりする。
でも、そのものを露骨に見せずに官能を表現する手腕はさすが。
さて、他の異常性愛ものも見ておくかな・・・