カルメン故郷に帰る/木下恵介


BS木下特集のを途中まで再見。
何故浅間山の麓、北軽井沢の牧歌的な風景を、幼い頃牛に蹴飛ばされて以来頭の弱いストリッパーの里帰りのドタバタを、記念すべき日本初のカラー映画の題材にしたのか?これは誰しも思う疑問か。
記念すべき初カラー映画で最初に映し出される人物は坂本武と望月美恵子(優子)!!
と、茶化すのはやめにして。
この映画で高峰秀子が自分のストリップショーを「芸術」と連呼しているのが印象的。
しかし、田舎町の住人達、まして父親には理解されず、恥さらしだのと言われる。
当人が芸術だといって憚らないものも他人からしたら見世物に過ぎない、という点にこの題材を記念すべき初カラーに抜擢した意図/戯れが垣間見られるのでは?
リリー・カルメンの踊るストリップは、カラー化してより見世物の要素を強めた映画(芸術)のメタファーなのでは?
そう考えると凄い映画だ。
そんなこと考えなくても楽しい映画だけど。