エリザベスタウン/キャメロン・クロウ


もうスルーしてしまおうかと思ったんだけど、明日で上映終了、折角だし気になるので観てみた。
ら。
良かった。すごく良かった。
もっと早く観て宣伝して回ればよかった。
どん底なオープニングにノセられ、あれよあれよという間にエリザベスタウンの住人達が手を振っているシーンで、ああ、と何故か泣きそうになった。


当然の如く「あの頃ペニー・レインと」をmyソウル映画に挙げる私なのに、何故見逃しかけたかというと、オーランド・ブルームキルスティン・ダンスト
オーランドは置いておいて、キルスティン・ダンストにキャメロン流の天使のような(というか天使)ヒロインを体現出来るのか、という心配。
同じ「歌の中の彼女=天使」でも、無条件降伏な笑顔と儚さを持つペニーレイン=ケイト・ハドソン*1とまたカラーの異なるポジティヴっ子・クレア=キルスティンは、これはこれで良かった、心配無用。
基本的にキャメロンの映画は優しげな男が天使と家族を介して成長する物語だから、ヒロインが滅茶苦茶大事なんです。
本作でも40・50代の一部感涙のロック(今回もエルトン・ジョンが泣ける!)を伴侶に、その物語が綴られるのは同じなのだが、恋愛、男女の関係性についての視点が強い。
それは父母の「ムーン・リヴァー」であり、朝の「ローマの休日」に象徴される。
うーん、確かにロマンティック・ラヴ・コメディと分類されてもいいような気配。
人生を終わらせようかと思っていた男、自らの死の代わりに父の訃報が入る。
これだけは引き受けようと父が死したエリザベスタウンに旅立つ主人公。
宙ぶらりんにユーモアの中で描かれる、亡き父を愛したエリザベスタウンの人々。
そしてキルスティンとの曖昧な関係butときめき含有率高し(朝まで長電話!)が、彼を包む。
こうなるともう、死ぬわけにはいかない。
理屈じゃない、なんだかハッピーな感じがこの映画の魅力の全て。
レナード・スキナードのコピー・バンドの演奏中のドタバタやら、金切り声をあげる子供達のエピソードや、急に大フューチャーされるスーザン・サランドンのスピーチやら。
美人とも可愛いとも言えないキルスティン*2が、なんでか妙に魅力的なのもハッピー。
彼女、なかなか含蓄ある言葉達を吐きます*3
英国人若手俳優代表ともいえるオーランドに、米若手女優とアメリカン・ロックの導きでアメリカの隠れ名所巡りさせる後半も面白く見た。
あとはDVD等で完全版(?)を観たいなぁ。

*1:彼女はたった一本だけで私にとって決定的なQueenになった

*2:スパイダーマン」の時は「なんでこんなブスがヒロイン!?」と思った

*3:戸田奈津子の字幕は読まずに観ましょう