キング・コング/ピーター・ジャクソン


思い入れが強すぎ、様々な要素を詰め込みすぎた、という印象。
3時間半は決して苦痛ではない。
しかし、「LOTR」同様、ドラマになると眠くなる!どうにかならんですかね。
わたしゃ「LOTR」にリヴ・タイラーが出てくる度にウトウト。。。
本作もコングとナオミ・ワッツのカットバックが続くと一気に眠くなる。
この監督、やっぱ恋愛は描けないんじゃないでしょうか??
あと、風景やら沢山の恐竜やら沢山の虫やらはCGで全然OKなんだけど、コングはCG微妙。
なんだかんだいっても、あれはゴリラだから、本物の見覚えがあるわけです。
となると、実物に近づけるのが不可能だけど味のあるストップ・モーションか、キャラづけがはっきりと出来る着ぐるみがいいのかな。私はその二つで育ったから。
一方恐竜やゴラムなんて本物見たこと無いからCGで十分なわけ。
氷の上を滑って遊ぶシーンは良かった。
オリジナルの「キング・コング」をあまり覚えてないからエラそうなことは言い難いけど…


ジャック・ブラックに「フェイ・レイは?」と言わせたり、ティラノサウルスの口を裂いたりといったところでジャクソンをオタク監督とか言うのはお門違いで、ほんだらあらゆる映画監督がオタクでしょうよ、なんて毒づきたくもなりますが。
それより気になるのは、この映画をラヴ・ストーリーと呼ぶこと、コングとヒロインの間に愛がある、とすること。
美女と野獣的な物語って西洋人に限らず好まれるみたいだけど、私は男性のプラトニックな御都合主義的なものが感じられて苦手。
何、守ってもらったからって好きになるの?あんなに怖い目にあわされといて?ごめんなさい、私にはプレイにしか思えない。
この感覚のほうが、よっぽどオタクっぽい印象。
その点、あの悪名高い76年版「キング・コング」ではジェシカ・ラングがコングの指で服を引っ剥がされる瞬間があって、二人は欲情で繋がっていたのだ、と幼心に理解できたんだけど。
街中で暴れるコングをなだめようともせずに、攻撃してくる軍隊に「止めて!」って、何?
本作のコングが絶命したあと、ナオミ・ワッツが助けに来たエイドリアン・ブロディと抱き合うとこで、キー!!っとなったし、笑。
ナオミ・ワッツがあまり好きではない、っていうのも影響してるのかな…彼女のカマトト振りが…
この人、ニコール・キッドマンの縮小版、みたい。
ブロンド美人は一捻りないと私はだめなのかも。
ナオミよりユマ・サーマンとかケイト・ハドソンとかキルスティン・ダンストらの方が美人度は劣るかもだけど、印象的かつ魅力的だもの。
なんかこの人、いっつもギャーギャーわめいてる役ばっかし。


しかし、3時間半かけてもまだ足りない、カットしてるなーここ、と思わせるのはどうなんだろう。
繋がってないカットとかあるし。
船員達のエピソードが全く表面上の絵空事になっているのを筆頭に、全体的に欲張りすぎ。
もっと低い予算で、サッと撮り上げるべきだっただろう。
私の愛するジャック・ブラックがコメディーでしか使えない役者ではないことを、きっちり証明してくれたのが、結局一番の見所。