秘密のかけら/アトム・エゴヤン


面白くない映画は撮らないエゴヤンの新作。
エロティックモード全開でも恒例の喪失映画。
彼の映画は毎度喪失(パンフの北小路隆志は過去のトラウマと書いているが、同じことを示しているだろう)をテーマにしており、ミステリー映画というジャンルにあってもそこに埋没しない。
映画のタイプとしては「エキゾチカ」に近く、あちらで制服姿のストリッパーがレナード・コーエンの「Everybody Knows」で踊る素晴らしいシークエンスがあったが、本作では不思議の国のアリスが「White Rabbit」を歌い、しかもレズ・セックスをする強烈なシーンがある。
この人の音楽のセンスは絶妙だ。
この映画は幼いままの見た目で大人になったような、天然のロリータが自分の過去とシンクロするワンダーランドに迷い込んだ趣がある。
アリソン・ローマン嬢は写真写りが悪いが、「ビッグ・フィッシュ」の時の可憐さを失っていない。化粧薄い方が可愛い。
コリン・ファース・ファンの奥様方は必見。
ケヴィン・ベーコンの尻!