男はつらいよ・翔んでる寅次郎


マドンナ桃井かおり、ゲスト布施明、木暮美千代。ロケは北海道。
10周年作ということで、満男の成長に言及される。
夢想は便秘解消薬を発明しようとする基地外医者。
爆発ありのドリフ並ドタバタが展開するが、この便秘薬という出だしから最後まで、本作は下ネタが豊富。
桃井かおりは車で強姦されそうになるところを寅さんに救われるが、ここで「メリーに首ったけ」的なチン挟みが。
桃井の役どころは田園地帯=田園調布のお嬢様で、布施との結婚に違和を感じている。
結局花嫁姿のままとらやに逃げ込んでくるが、彼女に余り強い意思が無い。
英会話の先生をやるといってチラシを印刷するまでは映画に映し出されるが、その後彼女が望んでいた“自立”が実現できた節はない。
彼女に感化され、自立を実現させた布施明と、とらやの人々の寛容さばかりが強調されるという点で、このマドンナ、喰い足りない。
寅さんも異例と言うべきか、振られた後も柴又に残り、二人の結婚式の仲人をする。
結婚式でのスピーチは森崎東「喜劇・女は度胸」の「クソまみれのゲテー」を思い起こさせる品のなさ。
松村達雄が一回目の結婚式の仲人役でゲスト出演。
笠智衆がゲン公にお説教をし、鐘の中に入れて鐘をつくという、必然があるのか全く判らない異様に印象的なシーンがある。