ウォ・アイ・ニー/チャン・ユアン


男女の悲劇的な出会いから再会、好意から欲情に変貌していく恋愛、結婚を経て意地の張り合いになってゆく様を、痛々しい程の激しい台詞のやりとりやぎょっとするような狂気とユーモアを交え、リアルに見つめる。
シュー・ジンレイは強迫観念のように愛を求めるが、どうもこの映画に愛が訪れる瞬間は無いように思う。
それは私達の現実世界の中に愛の奇跡が顔を出す欲望がそう無いように。
そうした見たくないものをあえて見せるような映画は万人に受け入れられるようなものではないが、時にフィクションに立ち返るような不気味さをふまえた上で私はとても気に入った。
主題歌はフェイ・ウォン
監督の次作、「緑茶」は私の大好きなヴィッキー・チャオ×チアン・ウェン×クリストファー・ドイルなので、また観に行きたいと思う。


で、シュー・ジンレイはヴィッキー、チャン・ツィイージョウ・シュンの3人とあわせて中国4大女優といわれるのだが、日本には彼女の作品が全然入ってきていないので一段と4人の中では影が薄いが。
中国では存在感はかなり大きいようだ。
彼女は4人のなかで一番年上というだけでなく、プロデューサーとしても、監督としても活躍している。
「プロミス」「北京バイオリン」のチェン・ホン(チェン・カイコーの嫁)のような実業家タイプの女優だ。
世界的に活躍するチャン・ツィイー、アジア圏の才能ある若手との作品に恵まれた(私が一番好きな)ジョウ・シュン、現時点ではアイドル然としたヴィッキー・チャオ、と4人それぞれ違ったスタンスでいるような気がする。


シュー・ジンレイ嬢の本邦代表作は未だにこれ。

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監督はこの作品の人なんで、強迫観念とユーモア、という点が作家性かもしれない。

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