恋は五・七・五/萩上直子


こういった文科系学園物邦画は近年多々作られているので、どうしても比較をしてしまうものだが。
かもめ食堂」を見たときに感じたのと同様の停滞感、いまひとつ弾けきれないもったいない印象を受けた。
タイトルからして恋愛が絡むのは映画のテーマの一つなのかもしれないが、個人的にはそういう展開が重要ではない、もしくは無いのが好き。
リンダリンダリンダ」「ロボコン」「スイング・ガールズ」などなど。
なお、本作に関して言うと、恋愛が絡んでいる割には個々のキャラ立ちがいまひとつ弾けず、主人公たる関めぐみのみに執着することなく眼差しが分散するため、結果的に関の感情の動きも追いにくくなってしまった。
敵役のわかりやすい嫌味さ(「ロボコン」の荒川良々率いる優等生集団の憎めなさ!)はなんだか不愉快で、善悪の明確な線引きが成されており、彼らを準決勝で負かし決勝に進むことが確定した段階で映画が終わることからも、彼らを負かすことが物語の決着となっていたのだろうが、そのような二対立の構図が好かん。
もしそうするなら「オーバードライブ」並のトンデモ感を出して欲しかったところ。