女のみづうみ/吉田喜重


で、岡田さんいるかも、と思ってポレポレ東中野吉田喜重特集に駆け込む。
いらっしゃいました。上映前のスピーチを監督とともにしてくださった。


で、上映作品自体はこれまた凄まじいものだった。
岡田さんがおっしゃったように、1966年の時点でストーキングの関係性を描いて、しかもいつしか主人公はそのストーカーと共犯関係を結ぶのだが、そういった物語の過剰さのみならず、前年の「水で書かれた物語」から相当に噴出しだしたショットの様式美が、ここでも観るものの神経を逆撫でするくらいの緊張感をもって迫る。
水のモチーフは海、砂浜に引き継がれ、日傘はサングラスに移行したかのようだ。
そして岡田さんの国宝級に美しいうなじと特徴的な頬が、斜め後ろから映し出される。
男達にとっては束の間の出来事が、女にはそれではすまない、運命の変わり目になるという残酷さ。