ミュンヘン/スティーブン・スピルバーグ


やはり、というべきか、ただのシリアス史実物になるはずもなく、「暗黒街の顔役」から「ゴッド・ファーザー」に至るまでの殺人ヴァイオレンス映画(つってもデ・パルマは入ってない気がしてよろしい)の娯楽性、つったら語弊があるか、高揚が待っていた。
不謹慎ながらも、次はどうやって殺すのか?というようなドキドキがあるのだ。
無残な殺戮、に描写しなかったor出来なかったところに、社会性バンバンの本作をある種娯楽作とも受け止められるように作ったところに、スピルバーグの立ち位置と作家性が表れている気がする。
また、主人公が自身の不在の内に“父”となって家庭に帰る、というシーンもなんともスピルバーグ
最後、ハドソン河(?)沿いの寂れた公園でのエリック・バナジェフリー・ラッシュの対話と別れの風景が、グッとくる。