故郷の香り/フォ・ジェンチイ


故郷に残した初恋の人=後ろめたい思いの残る女、との再会を描く「木綿のハンカチーフ」映画。
こういう作品で心配なのは、男性の贖罪意識のみしか描かない、男子脳映画に陥りがちなことだが。
見事にその通りであった。
最後に主人公はヒロインの娘に「迎えに来る」と約束するのだが、え、お前、昔約束守れなかったんちゃうんか?同じことまた繰り返す気か?償うのなら黙って帰れよ、何を学んだんだよ。
等と掴みかかりたくなってしまう。
しかもこいつ、「愛されて彼女は幸せだ」とか言って、幸せかどうかは彼女が決めるんだよ、解決するなっての!
って訳で、この主人公の頭の中に全くついていけない。
その他にも、風景を映し出す必要のある「山の郵便配達」では美しかった山村風景も、人間同士の感情の交差を描かなくてはならない本作においては、少々邪魔だったし。
「ションヤンの酒屋」では頑張る女、という判り易く、しかも別に嫌悪感を持たれても仕方ない女性を主役に据えていたから気にならなかったものの、この監督、女性の扱いが下手糞ではなかろうか?
と、苦言ばかりだが、ブランコの扱いは好きだった。
しかし、雑な映画だと思うけど…