Blanky Jet City 全曲解説

ブランキー元メンバーの最新作、浅井健一スフィンクス・ローズ」は、解散後数年以降久々の素晴らしい作品であった。
レコーディングアプローチが変わった、とか、背後にある金銭の動きとか(申し訳ないがベンジーのここ数年の活動を考えることはそれと切り離しては語れないと思う)、色々あるだろうけど。
それでもブランキー時代と同質の胸騒ぎを引き起こさないことに変わりは無い。


何が違うのか?


今年、ブランキーの未発表ライブと一部の未発表曲を盛り込んだ編集盤が発売され、
カタログが(愛情の無い仕様だが)SHM−CDで再発され、
ミュージックマガジンの表紙を飾った。
ここにきて、再評価の兆しがあるといえるだろう。
それはおそらく、リアルタイム世代に根強いヤンキー気質/不良の価値観と離れたところで。


ベンジーがユダやソロでブランキーの曲を歌い始めて早幾年月、
照ちゃんがヘビーなロックから離れて幾年月、
達也がブランキー時代には想像できない即興界の大物達とつるみ始めて幾年月。
そろそろブランキー・ジェット・シティーというバンドを冷静に見つめてもいいのかもしれない。


以降に綴るコメントは、かつてジェット・シティーの住人だった者が
それから10年を経た今、改めて彼らの音楽を聴いた言葉だ。
好きだっただけに(人生だったとも言える)辛辣な言葉も出るだろうが、御容赦願いたい。